企業情報

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事業内容

当社は幹細胞治療を広く一般に、誰にでも受けられる治療としての実現を目指しています。その実現のために、まずはドナーへの侵襲性が無く比較的容易かつ低コストに採取・培養が可能な臍帯由来間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)を用いて、提携する細胞培養加工施設(CPF:Cell Processing Facility)において細胞製造プロセスの構築、他家細胞移植の臨床適用に向けた新規培養技術の開発及び将来的な実用化に向けて取り組みを行っています。

1. 臍帯MSC製造プロセスの構築

① 臍帯細胞株の樹立

適切なインフォームドコンセントのもと、連携する病院から臍帯の提供を受けてMSCを樹立しています。適切な臍帯処理を検討し、MSCの樹立効率を向上させる技術開発を行います。その後MSCマーカー発現の規格等を決定し、凍結ストックを作製します。

  • ※MSCマーカーとは…細胞の表面分子の同定・区別をするための目印のこと

② 臍帯MSC株の培養方法の検討

樹立したMSCの凍結ストックを解凍し、培養を行います。その際の培養液や培養フラスコ基材を、細胞の品質保持、臨床適用性とコスト効率の点から検証しています。我々は再生医療の大きな課題である、細胞製造の安定性と生産効率を向上させるために、大型の培養フラスコと、生物由来原料基準対応の無血清培地、および接着基質ラミニンを用いた独自のMSC培養方法を開発しています。この新規培養法により、少量のMSCストックから大量のMSCを安定かつ簡便に生産・回収することが可能になっています。また酵素液による細胞の分散方法や継代時の播種密度、培養期間などを検討し、培養方法を最適化しています。

③ 細胞のQC評価

再生医療等製品、または特定細胞加工物の開発のために、原料である臍帯、樹立後のMSC、ならびに最終製品である凍結MSCのそれぞれについて、増殖能や遺伝子発現、表面マーカー、生細胞率など、品質をコントロールするための適切な基準を設定し、規格化しています。

  • ※QC…Quality Controlの略で、品質管理のこと

2. 製造安定性の向上と低コスト化

① 細胞の保存・輸送条件の検討

細胞の保存方法や輸送条件は、再生医療を産業化するために重要なファクターです。臍帯MSCに最適な凍結保存や解凍方法を、凍結保護液や容器について、提携CPF施設と共に検討、開発しています。また、再生医療等製品、または特定細胞加工物の輸送テストを行い、最適な輸送手段を検討します。

② 培養液の開発

臍帯MSCに最適な培養液を独自開発します。生物由来原料基準を満たし、細胞の増殖能が高く、細胞品質が維持される培地成分をスクリーニングし検討しています。また近年、幹細胞の治療メカニズムとして注目されているサイトカインやエクソソーム、代謝物などを、自社開発した培養液を用いて細胞上清として回収し、ELISAやメタボローム解析により評価しています。

  • ※ ELISA…試料中に含まれる抗体や抗原の濃度を検出・定量する手法
  • ※ メタボローム解析…糖やアミノ酸、脂肪酸などの代謝によって作られた代謝産物を網羅的に解析すること

③ 自動大量培養系の開発

細胞培養工程について、培養技術者のスキルによって品質がばらつくことが課題とされています。また、再生医療等製品、または特定細胞加工物を広く一般普及させるためには大量培養技術の開発が必須となります。当社は、製造安定性の向上のため、培養工程を自動化するための新規培養方法を開発しています。適切な培養装置を評価・選定・新規開発し、自社の培養技術と組み合わせることで、安定で安価な再生医療等製品、または特定細胞加工物の製造プロセスを構築します。

3. 再生医療等製品、または特定細胞加工物の安全性/有効性の確認

① 一般毒性、造腫瘍の確認(安全性試験)

MSCは安全性の高い細胞と言われていますが、一般普及を目指して詳細かつ精密な安全性試験を行います。細胞の動態試験、一般毒性、造腫瘍・腫瘍形成の確認などを行い、多角的に細胞の安全性を確認しています。

② 下肢虚血モデル等による有効性試験

臍帯MSCを用いた細胞治療の対応疾患の一つとして、糖尿病患者さんなどに多く見られる下肢虚血への適用を検討しています。下肢虚血のモデルを作製し、臍帯MSC投与による血流改善や血管新生への影響を評価し、患者さんに対する治療のプロトコルや治療効果の評価方法に合わせて細胞や動物試験の項目を定めて進めていきます。

なお、下肢虚血等への適用検討においては、当社取締役である、米国足病医の李家医師のこれまでの知見も活かしながら予防領域への可能性を検討しています。

③ 臨床研究

疾患モデルでPOC(Proof Of Concept)が得られたのち、早期の臨床研究を目指し臨床プロトコルを作成します。

  • ※ POC…新たな発見が実現可能であるかを実証することを指す

4. 大学機関との共同研究

間葉系幹細胞の臨床適⽤に向けた新技術開発

⼤阪⼤学医学系研究科との共同研究講座において、マイクロ‧ナノテクノロジー等の新規技術を⽤いて幹細胞に適⽤し、新たな移植法や新規治療法の開発をすすめることで幹細胞の新たな可能性の発⾒を⽬指します。